Blogこれからの働き方をマーケティングで最適化するブログ

会社勤務デザイナーが制作した素材の権利ってどうなるの!?『フリー素材』に関するあれこれ。


他人に自分の考えや情報をわかりやすく伝達するために、五感に訴える説得力のある資料は不可欠ですよね。資料作成にあたり、巷にあふれるフリー素材の利用をしたいと考える方も多いでしょう。

一方、インターネットの玉石混交の情報の中で、本当にこのフリー素材を使っても大丈夫なのか不安に思われたことはありませんか?この記事では、フリー素材の利用にあたっての注意点や概要などをご説明します。

 

1.フリー素材とは?そのメリットとデメリット

フリー素材とは、音楽、画像、文章などで、制作者等が世間一般に無償で公開しているものをいいます。

フリー素材を利用するメリットとしては、豊富な素材を無償で自分の作品に利用できること、申請手続き等がいらず思い立ったときに利用できて便利であること。逆に、デメリットは、「フリー」と一口にいっても何も制限がついていないとは限らないということです。なので、利用に際しては正しい知識と慎重な注意が求められます。

 

2.利用条件が掲載されているか必ず確認しましょう!

フリー素材は以下の3種類に分けられます。

 

・広く使ってもらいたいという制作者の意図で無条件に開放されているもの

・一定の利用条件を遵守すれば無償で使ってよいとされているもの

・著作権等の期限が切れていてパブリックドメインとなっているもの

 

制作者には、音楽、画像、文章などの他人のものを模倣せずに創作した場合、細かい利用条件を定めることができる「著作権」という法律上の権利があります。そのため、フリー素材をダウンロードしようとする場合は配布サイトの注意事項や記載をよく読み、本当に全く自由に利用してよいものなのか確認する必要があります。

フリー素材によく付けられている条件としては、加工利用は不可というものや、商業上の利用は不可というものがあります。フリー素材ページには利用条件が書かれたページがありますので、利用前に必ずチェックしておきましょう。

 

3.フリー素材の著作権は?

フリー素材の権利の中で最も重要なものは、素材制作者に与えられる著作権という権利です。

著作権は、「著作財産権」と「著作人格権」の2種類にわかれます

「著作財産権」は文字通り、著作物を自分で利用または他人に有償で利用させることで財産的な利益を得る権利。

「著作人格権」は、素材に具現化された制作者の人格的な利益を守る権利です。

 

①著作財産権

著作財産権は、バンドルオブライツ(権利の束)ともよばれており、著作物の利用形態ひとつひとつに認められている権利です。

素材を利用する方法としては、素材をコピー(複製権)、加工(翻案権)、会社の会議室スクリーンに上映(上映権)、素材を組み込んだ商品を販売(頒布権)、素材を組み込んだ資料をインターネットにアップロードする(公衆送信権)などが考えられますが、著作財産権者は一つずつの権利についてばらばらに、どう処理するかを決めることができます。

また、財産権ですので、相続や他人に売却・譲渡することも可能であり、同じ素材について利用形態ごとに複数の権利者がいることもあります。

 

②著作者人格権

著作者人格権は主に素材をいつ一般公開するか、著作者名の表示をどう書くか、素材の加工を許すかどうかということを決めるための権利です。

思いいれをもって世に生み出した素材について、制作者のアーティストとしてのこだわりや人格を尊重するための権利ですので、一身専属といって、制作者本人にのみ認められ、他人に相続や譲渡することはできません

 

4.著作権は誰のもの?有効期限はあるの?

大原則として、著作権は制作した瞬間に作品を世に生み出した制作者に発生します。これを「原始帰属」といいます。

「原始帰属」したあとに著作財産権が他人に移転されれば、移転後は譲り受けた人に帰属しますが、一身専属権である著作者人格権は制作者から移転することはありません

また、著作権には「保護期間」といういわば有効期間があります。著作物は文化の発展には不可欠ですので、いつまでも個人が独占するのは不適当であるからです。保護期間は国によっても異なりますが、日本では、原則として著作者の死後または著作物公表後50年間で消滅します。たとえば、クラッシック音楽やグリム童話等が無償で利用できることがあるのは、著作権の保護期間が終了しているためといえます。

 

5.会社に勤務するデザイナーが制作した素材の権利

ここが気になる方は多いのではないでしょうか!?

大原則として著作権は素材等を制作した人に帰属すると述べましたが、これには「職務著作」という重大な例外があります。

会社等の従業員がその職務上制作した著作物の著作財産権は雇用主に帰属します。職務について対価を支払い、素材等を制作できる環境を与えているのは雇用主ですので、財産的価値は出資元である雇用主に帰属させることが公平であるという考え方からです。

著作人格権は一身専属の性質から制作者に帰属しますが、会社が自由に利用できるように著作人格権は主張しないこととなっていることがほとんどです。会社は雇用により従業員に著作物の制作を伴う業務をさせており、対価は支払い済みであるということがこの理由です。

一方、職務著作の場合であっても、著作人格権は制作者に帰属します。そのため、フリー素材を会社が配布している場合は(これに限りませんが)、制作者から著作人格権等を行使されないよう、改変をしないことやコピーライト表記を必ず載せることなどに特に気をつけましょう。

 

6.©️マークとは

キャラクター、イラスト等の素材の脇にはよく「©️」のマークが添えられているのを見ませんか?

この©️マークは、素材が制作された年と、著作者の表記が記載されています。注意しておきたいこととして、©️マークは、日本ではつけていてもいなくても著作権は発生します。©️マークはあくまで参考レベルにとどめておきましょう。

 

7.著作権以外に注意しておきたいフリー素材の知識

写真や動画の素材には、人が被写体としてうつっていたり、背景の中に顔が写りこんでいたりするものもありますよね。

素材にうつっている被写体には、制作者の著作権とは別に、顔や肉声を無断で複製されたりネットで配信されたりすることを拒否できるプライバシー権という権利があります。

また、芸能人が被写体となっている場合、職業上プライバシー権は制限されるものの、勝手に商業的に利用されることを禁止できる「パブリシティ権」という権利が発生します。

制作者である著作者は広く素材を利用してもらいたいと考えていたとしても、被写体が同様に考えているとは限りません。人物が写っている場合は、利用条件等に制限がついていないかを特に慎重に確認し、場合によっては配布元に問い合わせるなど慎重な対応をとりましょう

また、フリー素材は無償で開放されているため、品質については無保証(問題があっても配布元は利用者に責任を負わないこと)となっている場合が多いです。コンピュータウイルス等が含まれている可能性もなきにしもあらず、ダウンロードの際には、セキュリティソフトがきちんとインストールされている端末を利用するなどセルフプロテクションを万全にしつつ、信頼ができるウェブサイトからダウンロードすることを心がけましょう

 

8.最後に

いかがでしたでしょうか?

フリー素材は、コンテンツ制作をするうえで、とても便利なものですし、ご自身のコンテンツを色彩豊かにしてくれるものです。でも、今回書いてきたことを知らないと、意図的ではないものの権利を侵してしまっていることもなきにしもあらず。

ということで、フリー素材についての第三者の権利のあらましや注意事項を必ず知って理解した上で、利用条件をよく読んだり、慎重に素材を選んだりすることにより、フリー素材を有効活用し、会社の売上げアップへ貢献したり、よりよいクリエイターライフを送られることを心より願っております。


お問い合わせ

本記事内容や「フリー素材」についての
お問い合わせはこちらからお気軽にお問い合わせください

お問い合わせはこちら